痛みをナラティブに捉え、
ピアサポートを通じて各自の人生観をデザインするお手伝い。
当事者同士が経験を語り合う交流会と、当事者研究から生まれたセルフケア用のVRアプリ「Mirror-VR」。
※本サイトでの「ナラティブ」は、痛みを客観的な症状としてではなく、本人が語る「物語」として捉え直し、その人にちゃんと寄り添う視点を指します。「デザイン」もまた、見た目を整えることではなく、課題を発見し解決していく行為そのものを意味しています。
Scroll幻肢痛交流会・VR体験会
痛みを和らげることだけをゴールにせず、QOL(生活の質)の向上と、当事者が新たな一歩を踏み出せる社会復帰までを見据えた場です。
テレビ放映「企業魂」より、幻肢痛交流会についての紹介映像です。
継続的なご支援をお願いしています
幻肢痛交流会は、継続的なご支援によって運営されています。毎週の開催を続けるため、継続寄付にご協力いただける方を募集しています。
NPO法人 Mission ARM Japan のメンバーを中心に、幻肢痛当事者が集まって開催スタートしました。
- 幻肢痛について知る勉強会
- 当事者同士の情報交換
- 患部を含むカラダ全体のケアについての共有
- 幻肢痛カレンダーの共有
- VRを使ったセルフケアの体験
KIDS主催の幻肢痛交流会には、これまで90名を超える当事者が参加。NPO Mission ARM Japan主催の月例交流会「Mカフェ」との相互参加もあり、Mカフェの参加者数はのべ300名を超えています。対面での求心力は大きく、大阪・広島でもVR経験者のエバンジェリストや有志(自動車関連)による拠点活動が広がっています。VRで症状が緩和した当事者自身が「当事者セラピスト」として活動する例もあり、第一号となった当事者は現在、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターで大住教授とともにセラピストとして活動しています。
腕神経叢引き抜き損傷、前腕切断、上腕切断、両手切断、肩関節離断、脳梗塞、視床痛、先天性上肢欠損など、10代から90代まで幅広い当事者がこれまで訓練に参加してきました。
参加をご希望の当事者の方は、下記メールにてお問い合わせください。
kids.mirrorvr@gmail.com
2020年度:ロート製薬さま協力、ReadyFor SDGs クラウドファンディング ご支援者の皆さまのご協力により、参加者の負担を抑えながら、開催頻度も隔週から毎週に拡大。心より感謝申し上げます。
幻肢痛チーム
猪俣 一則
自身も幻肢痛の当事者。当事者研究の視点からプロジェクト全体を統括。
井上 裕治
デバイス選定からシステム構築まで、技術面を一貫して担当。
大住 倫弘 教授
臨床・データ分析の側面から、幻肢痛の発症・緩和メカニズムの研究を担当。
上記のコアメンバーに加え、女性の当事者の方も安心してご参加いただけるよう、女性の作業療法士(OT)・当事者・学生スタッフもアテンドしています。
Community Project
片手(間)のお作法ブック
「作法とは、相手を思いやる心。思慮することで自身のQOL向上にもつながる」という考えのもと、片手での日常動作の工夫をまとめた冊子づくりを進めています。第一弾「食事と所作編」が完成し、第二弾「道具とカラダ編」を準備中です(イラスト:鹿島理佳子)。
「不便益から学ぶ」——皆さんのアイデアや工夫を募集しています。一緒に作り上げていきましょう。
お問い合わせ:katate.osahou@gmail.com
Supporters
幻肢痛をご存知ですか?
少しでも痛みが緩和し、笑顔で楽しい生活を送れることを望む。
幻肢とは、病気や事故で四肢を切断、もしくは神経損傷による運動・知覚麻痺を負った方が、失われた手足がまだ存在していると感じることです。位置や長さなど、感じ方は人によってさまざまです。
その幻肢が強く痛む幻肢痛によって、日常生活(ADL)や生活の質(QOL)に大きな影響が出てしまう場合も少なくありません。医療やリハビリテーションの現場において、その対応は非常に重要かつ難しい課題の一つとされています。
「幻肢くん」です、よろしく!
幻肢痛はまわりからも理解されにくく孤独と向き合うことに。でも、その痛み、少しでも良くなるかもしれないよ。一緒に戦おう。
幻肢痛を感じるメカニズムと鏡療法
幻肢痛を感じるのは、傷ついた神経が異常な信号を脳に送り、脳がそれを痛みとして感じさせるからだといわれています。
脳への情報を更新すれば痛みを軽くできるのではないかと考案されたのが鏡療法です。正常な手を鏡に映し、脳に「手が動いている」と錯覚させることで痛みを和らげます。ただし、失った手のイメージには個人差があり、鏡療法だけではうまくいかない方もいます。
原因がまだ十分に解明されていない痛みであり、対応方法の研究が続けられています。
当事者研究から生まれた、幻肢痛向けVRアプリ
「Mirror-VR」
「退院直後から、自身で始められるケア環境を提供したい」という想いから開発されたのが、幻肢痛向けVRアプリ「Mirror-VR」です。幻肢痛と向き合うための、新しい自立支援(セルフケア)ツールとして、医療・福祉の現場からも関心が寄せられています。
このシステムの特徴は、従来の鏡を用いた手法とは異なる、VR技術ならではの高い没入感によって得られる視覚体験にあります。仮想空間の中で、自分がイメージする幻肢の位置にバーチャルの手が現れることで、脳内でしか感じることのできない幻肢がビジュアル化され、自己所有感を生み出します。「自分の意思で動かせる」という感覚を通じて、脳への新たな刺激を促す仕組みです。エクスクルーシブに一人ひとりに寄り添う。
システム
HMD + LeapMotion / Kinect + Unity
自身の3Dスキャンモデル
トラウマの強い方への配慮
思い出体験 1
トレース
思い出体験 2
ボールすくい
思い出体験 3
ブロック
自己評価
訓練前後の痛みのアンケート結果
System Version01
ハイスペック版
- ヘッドマウントディスプレイ(Oculus Rift)
- モーションキャプチャー(LeapMotion + Kinect V2)
- 制御PC(Unity Game Engine)
System Version02
簡易版
- ヘッドマウントディスプレイ(Meta Quest 3)単体で動作
Notes
- 医療機器ではなく、セルフケアを目的としたツールである
- 幻肢の長さや位置が左右対称になく、従来の鏡では再現できない方も対応
- 小スペース(2m × 3m)で実施可能
- これまで両手で行っていた懐かしい動作を体験するコンテンツ
遠隔版について
VRデバイスさえあれば、場所を選ばずに取り組めることが特徴の一つです。株式会社電通国際情報サービス(ISID)との共同開発により、離れた場所にいる当事者とセラピストが同じ仮想空間でセッションを行える遠隔版も開発しています(電通報の記事はこちら ↗)。当事者が主体的にセルフケアと向き合うための環境づくりをサポートしています。
当事者の声
装具・ケアプロダクト
VR以外にも、NPO法人Mission ARM Japanでの活動を通じ、3Dデジタル技術を用いた装具・ケアプロダクトの開発に取り組んでいます。
麻痺・肩離断者用
ショルダーライン形成パッド
ユーザーの真の気持ちをくみ取った「理想の肩」を、デジタル技術を活かして提供する3Dプリント製パッドです。服が着られる、気分が上がる、心身ともに健全で社会復帰への一助となることを目的としています。Stratasys社との協業で開発しました。
- 3Dスキャナーによる体に触れることなく計測(数分)で気軽
- スキャナー郵送で、ご自宅でスキャン可能
- 患部形状に極限までフィットさせた形状で、付け心地が良い
- TPU(熱可塑性ポリウレタン)というゴム素材で柔らかい
- 穴あき形状で軽く、通気性がよい
- 自動生成により労力削減、コストダウン
ライナー製作は幻肢痛当事者でもある肩パッド装着第一号、MAJ元理事長の倉沢奈津子氏や義肢装具士が担っており、患部の汗のかきやすさや通気性・肌触りにこだわりながら手がけています。
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見せたくなる
ビスポーク短下肢補装具
チラ見せしたくなる装具、履きたい靴が履ける装具がほしいとの友人の声から。全国各地の義肢装具士さん自身がつくれる短下肢補装具作成プログラムに。
- ユーザーに選択肢を、スタイリッシュで見せたくなるデザインに
- 独自開発低価格ポータブルスキャナー
- フォトグラメトリによる約1秒の計測により負担を最小限に
- 硬さ・長さも自由に調整できる自動フィッティングシステム
- 靴が履けるよう装着方法も一新
義肢装具士の遠藤剛氏と、3Dモデリングソフト「Metasequoia」の開発元である株式会社テトラフェイスの水野修氏との協業により実現しました。
Supporters
プロフィール・研究活動

17歳のとき、事故により右腕神経引き抜き損傷、左手生活が始まる、幻肢痛とともに。東京造形大学卒業後、日本大学大学院と東京大学生産技術研究所で海洋建築工学を、英国立コベントリー大学大学院でオートモーティブ&トランスポートデザインを修めました。孤独に自立を目指してきた努力は、実は多くの人々に助けられ、守られてきたからこそだったと、恥ずかしながらようやく気づかされた。その経験から、今度は自分が恩返しをする番だと思うようになった。長年、国内外で自動車・建築・土木のデザイン検討にジェネレーティブデザインやVR技術を駆使してきた、その技術的知見は幻肢痛の緩和にも応用できるはずだという確信、そして自身がこの痛みの当事者でもあるという事実——その両方が強い使命感となり、開発に着手した。
その動機は活動を続ける中で、医療的な視点から福祉的な視点へと少しずつ広がってきている。医療への恩返しとは、医療への負担を減らすこと。なるべく世話にならず、予防こそがこれからの時代に重要だと考え、交流会の仲間と日々鍛錬している。
共同研究
本研究は、東京大学医学部附属病院 住谷昌彦准教授との臨床研究からスタートしました。現在は畿央大学 大住倫弘教授、株式会社KIDS CTO 井上裕治とともに、幻肢痛の発症・緩和メカニズムの解明に取り組んでいます。近年は、生体センサー技術を持つ株式会社Bio Searchとも連携し、脳波・心電図データを用いて痛みを客観的に把握するための研究を進めています。
学術論文(抜粋)
- 2019Characteristics of Phantom Limb Pain Alleviated with Virtual Reality Rehabilitation — Pain Medicine 20(5):1038-1046. Osumi M, Inomata K, Inoue Y, Otake Y, Morioka S, Sumitani M. DOI ↗
- 2019仮想現実システムでの視覚フィードバックは幻肢の歪みを是正する — 2019年度日本認知科学会第36回大会 OS12-4. 大住倫弘, 住谷昌彦, 猪俣一則. PDF ↗
- 2019Virtual reality の医学応用への期待:患者の立場から — 日本VR医学会学術大会(単著).
- 2020当事者たちと創る幻肢痛緩和デジタルミラーセラピー — 『日本バーチャルリアリティ学会論文誌』25巻3号 pp.181-184. 猪俣一則, 大住倫弘, 井上裕治, 住谷昌彦. DOI ↗
- 2022当事者とともに拓かれる幻肢痛リハビリテーション — 『認知科学』29巻2号 pp.303-311. 大住倫弘, 猪俣一則, 井上裕治, 住谷昌彦. DOI ↗
- 2022幻肢痛緩和のための遠隔デジタルミラーセラピー — 第21回日本VR医学会学術大会 抄録集21(suppl-1) p.10(GS1-1). 大住倫弘, 猪俣一則, 岡田敦, 井上裕治. 大会情報 ↗
- 2023自宅でのデジタルミラーセラピーは幻肢痛を緩和させる — 第39回日本義肢装具学会学術大会 ポスター発表 P2-1-8. 大住倫弘, 猪俣一則, 岡田敦, 井上裕治. プログラム ↗
特許
- 特開2018-191964「神経障害性の疼痛治療支援システム及び疼痛治療支援方法」
- 特開2021-137348「幻肢痛ケアシステム、被術者装置、及びプログラム」
受賞
教育活動
- デジタルハリウッド大学(CG概論座学)、HAL東京(3Dデザイン&ビジュアリゼーション演習)非常勤講師
- 湘南工科大学(製品デザイン)非常勤講師(〜2021年)
- 2025.06JDMA主催シンポジウム「ライフデザインが社会を変える」登壇
- 2019.10医療・リハビリテーション専門職を対象とした講演(全日本民医連中四国地方協議会主催)
- 2020.01小学生とその保護者を対象としたプログラミング的思考・キャリア教育の講演(東広島市立高屋西小学校)
社会的活動
- 特定非営利活動法人 Mission ARM Japan 副理事長(2016年より)
- 一般社団法人 日本デザインマネジメント協会(JDMA) 特別会員(2019年より)
- 東京零環ライオンズクラブ 障害福祉支部会長(2020年より)。「幻肢痛知ってください」トーク&ライブイベントなどを通じ、視覚障害など他の障害当事者ともつながりが生まれています
掲載・出演
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導入事例を読む ↗


会社概要
株式会社KIDSは、実際の当事者の視点や体験に基づく「当事者研究」から生まれた、新しいアプローチのVRを用いた自主トレーニング(セルフケア)を展開する企業です。治療する側の視点だけでなく、当事者のリアルな感覚や悩みを深く掘り下げることで、現場で真に求められるサポートの形を追求し続けています。結果、そのVRツールは、原因不明の難治性疼痛への対応策として広く注目を集めています。
代表の猪俣氏は、医療者・エンジニア・当事者が協働する「当事者研究」の手法を通じたVRリハビリテーション、疼痛研究に取り組むため、2015年株式会社KIDSを設立しました。その傍らHAL東京、デジタルハリウッド大学等にて非常勤講師も務めています。ピアサポートや若手への教育活動は、自身にとっての「恩返しプロジェクト」と位置づけています。
































































